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第52話 ‘織田家’の力

Author: satomi
last update Last Updated: 2025-10-28 07:33:31

「しっかし‘織田家’って資産すごそうだね。自家用ジェット機とかマイ島とか」

「ジェット機はなんとなく知ってたけど、島はさっき知った。別荘で十分だと思うけどなぁ」

「庶民的には別荘でもあったらすごいわよ。維持費が凄そう。ジェット機の維持費ってどんだけかかるの?」

「うーん、あんまり考えたくないくらい?」

「持ってるクレジットカードってやっぱりブラックカード?」

「ブラックカードじゃないカードってあるのか?」

「はぁ、産まれた時から金持ちだもんね。滅茶苦茶あるよ。利用限度額があるのよ。ブラックカードにはないでしょ?」

「……初めて聞いた」

「ノーマルのカードでしょ?シルバーカード、ゴールドカード、プラチナカードかな?私が持ってるのはゴールドカード。見る?」

「とても見たいです。見せて下さい!」

 俺はゴールドカードというものを見せてもらった。

「別に金で出来てるわけじゃないんだな」

「まぁ、通称みたいな?これでも限度額があるのよ。無尽蔵に使えるわけじゃないの。考えてもみてよ。日本国民がみんな無尽蔵にカードを使いまくったらカード会社がいきなり倒産するわよ」

 そうだよな。

「そういうわけで、コイツの資産は信用できるって人間にだけ、ブラックカードを支給してるのよ」

「なるほどな。うちなら大抵のものは一括で支払いが終わるからな」

「カード会社としては利息が取れないんでしょうけど。例えばカードで高級車を買うとか家を買うとかだとどうかなぁ?」

「ものによりけりだけど、分割になったりするかもな……」

「ところで、私への投資は成功って事になるの?」

「ああ、大成功だ。最近また、投資の調子が戻ってきているからいい感じなんだ」

「それはよかった。私でも役に立ったのかな?」

「非常に役に立ちました。ありがとうございます!」

「で、このあとどうすればいいの?」

「うちの両親的には二人でラブラブイチャイチャだろうね。おそらく口には出してないけど「なんなら孫でも作っていいのよ~」って感じだろうね」

「うーん、言いにくいんだけど孫は無理かなぁ?来年も予定が入ってるからちょっと無理」

 ‘織田家の力’を振りかざすことも可能だけど、響子の音楽を待ってる人もいるから尊重したいと思う。

「再来年の予定はあんまり入れないようにする!それでいいかな?」

「俺はいいけど、うちの両親はどうなんだろ?」

 とはい
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